災害の多い日本では、日頃、いかに必要なものをきちんと備えておくかがとても大切。でも、案外、備えることを忘れてしまっているのが靴です。安全に移動するためには、足もとを整えておくことがとても重要なのです。
そこで今回は、「災害に備えるための靴」にフォーカス!どのような靴が安全か、どのようなシーンで備えておくべきかなど、さまざまな角度からご紹介していきたいと思います。
【まずはおさらい】どうして災害時に、靴が重要になるの?
災害時は、普段とはまったく違った環境の中を歩いていかなければなりません。まずは、新たに怪我をしないよう、細心の注意を払う必要があります。
被災地は、がれきが散乱し、釘やガラスなど鋭利なものが飛び出していることも…。また、天候やスプリンクラーなどの影響で、周囲が水浸しになったり、大きな水たまりができて、足場を目視できないこともあります。
足を怪我してしまうと、その場から安全、迅速に避難することが難しくなります。
【東京防災おすすめ】足を保護する方法とは?
東京都が作成した防災ブック「東京防災」の中でも、被災時の足についてのページが設けられています。
その中で、緊急時には挙げられているポイントは2点。
1.足を濡らさない
レジ袋などのポリ袋を靴の上から履き、くるぶしでしっかり紐を結ぶ。
2. 踏み抜きに対応する
レジ袋などで靴を濡らさないように対処したら、板などの硬いものを靴の下に入れ、紐などでしっかり結ぶ。
外出先で、緊急時の対応としては正しいかもしれませんが、靴の裏に硬い板を付けた状態では、長距離を歩くのには適していませんよね。
被災地の地面の状態を想像してみる
都会で、大規模な震災が起こったら、どのような状況になってしまうでしょう?
ビルのガラスは割れ、辺りに散乱。地割れや液状化で、平らな地面はどこにも見当たらない。火事が発生しているところでは、走って逃げなければならない。通行可能な道路には人が密集している。
このような状況の中、ハイヒールやフォーマルな革靴で歩いていくのはとても大変です。緊急時にはどのような足もとであるかが、命運を分ける可能性もあるというわけです。
災害時、どのような靴があると安全なのでしょう?
どのような状況で被災するかによっても、必要となる性能は変わります。都会で、大規模な災害が起きた場合、以下の2点に気を付けて、災害用シューズを選ぶのがおすすめ。
1. 耐踏み抜き性に優れている
靴そのものの耐久性はもちろんのこと、ソールに耐踏み抜きの加工がされていることがとても重要。
耐踏み抜きの加工とは、釘やガラスの破片、折れた枝などを踏んだ時にも、足に怪我をしないよう、硬い板などがソールに入れられているもののことです。
2. サイズがあっている
自分にぴったりと合ったサイズの靴を選ぶこともとても重要です。
いくら安全性に優れた靴でも、大きすぎたり、小さすぎたりするとうまく歩くこと自体が難しくなってしまいます。履き慣れていない靴は、ただでさえ、靴擦れなどのリスクがあります。できるだけサイズの合った靴を災害用にしておくようにしましょう。
災害用の靴を用意するシーン①外出時ー携帯用 折り畳み靴を持ち歩く
丸五|ソールバリアモック*踏み抜き防止加工の防災用折り畳みシューズ
岡山で地下足袋、安全靴などの製造を行う「丸五(マルゴ)」が販売しているソールバリアモックは、災害時に危険物から足を守ることを想定して考えられた専用シューズです。
折り畳んでコンパクトに持ち運ぶことができ、2013年のグッドデザイン賞にも選ばれた優れものです。
インソールに耐踏み抜き材を使用し、釘や折れた枝、ガラスの破片などから足を守るように作られています。
広げてさっと履けるスリッポンタイプなので、急いでいる時でも素早く対処可能。サイズはS(22.5~24.5cm)、M(25.0~27.0cm)、L(27.5~29cm)の3サイズ展開で、ユニセックスに使ええます。
両足でも400g程度の重さなので、バッグに忍ばせておいても、苦にならない程度です。ただ、少し厚みがあるのが唯一のデメリット。普通のスニーカーなどよりはコンパクトですが、いわゆるポケッタブルシューズよりは厚みが出てしまいます。
それでも、日々の安心安全のために、バッグに忍ばせておきたい1足です。
✔耐踏み抜き加工(特殊繊維でできた耐踏み抜き防止インソール)
✔スリッポンタイプ
✔3サイズ展開・S(22.5~24.5cm)、M(25.0~27.0cm)、L(27.5~29cm)
✔約400g
✔携帯可能
災害用の靴を用意するシーン②会社や学校ー安全な靴を置き靴にしておく
ミドリ安全|先芯入りスニーカー ワークプラスSL-603*老舗安全靴メーカーの安全シューズ
安全靴で有名な「ミドリ安全」のスニーカータイプの安全靴です。JSAA規格シューズで、安全性も確認済。JSAA規格は、作業現場などで安全に使用できるかを定めた規格のことで、履き心地、蒸れにくさなども考慮され、快適に履けるかどうかの指針としても役立ちます。
ソールに厚さ0.5mmのステンレス層があるので、釘やガラスの破片などから足を守ってくれます。サイズは22cmから30cmまでと幅広く、自分にぴったりの靴を選択可能。
反射材がつま先、かかと、サイドについているので暗い場所や夜間の歩行でも安全に歩けます。重さは両足で、800g程度なので、女性が持ち歩くには、少し重いかもしれません。置き靴として、ロッカーなどに常備しておくと安心です。もちろん、いざという時に使うために、ベッドサイドに置いておくのも◎。
✔耐踏み抜き加工(厚さ0.5mmのステンレス層)
✔JSAA規格シューズ
✔サイズ・22cm~30cm
✔反射材付き(つま先、かかと、サイド)
✔約800g
災害用の靴を用意するシーン③寝室やリビングー災害にも使える室内用スリッパを置く
コジット|足まもりっぱ*普段使いできるカジュアルな見た目&耐踏み抜きに優れた機能性
普段はかかとを踏んで、カジュアルなスリッパとして使える災害用スリッパです。非常時には、かかとを入れれば、ぴたっとフィット!脱げることなく、安全に移動することができます。
1100ニュートンの耐踏抜き性試験もクリア。釘やガラスを通さない特殊シートを底面に内蔵し、安全性を確保しています。
手洗いで洗濯することもでき、衛生面でも安心。サイズはM(22.5~24.5cm)、L(25.0~27.0cm)の2サイズ展開。半分に折り畳んで、学校や習い事のスリッパとして使うことも可能です。
日常的にスリッパとして使うほか、軽くてコンパクトなので、避難用バッグに忍ばせておくのもいいですね。
✔耐踏み抜き加工(特殊シートを底面に内蔵・1100ニュートンの耐踏み抜き性試験クリア)
✔手洗い可能
✔2サイズ・M(22.5~24.5cm)、L(25.0~27.0cm)
✔携帯可能
おしまいに
いつ起こるか分からない災害に備えることは大切です。防災バッグや、備蓄品とともに、ぜひ、災害用シューズについても考える機会を作るのがおすすめ。ライフスタイルに合った商品が見つかるといいですね。